f2.0

写真を始めるとき、たいていの人が憧れるようにわたしも
背景がぼけた写真に憧れました。
絞りの調整ができる、明るいレンズのカメラを使えば簡単にできる事なので、
その頃の憧れた気持ちが今となれば恥ずかしくて、
その反動であまりボケの写真を撮らないような気がします。
どうにも素直じゃないのですが。
きれい、と思ったその風景を記録するのに、ぼけはあまり必要なかった、
というのもあるかもしれません。
でも、もう少し丁寧に写真と、そしてきれいと思った気持ちと向き合うと、
こういう、目で見たままではない風景の記録もいいなあと思えるようになってきたように思います。
1年くらい前、とても憧れているおしゃれな友人と話していたとき、
この鞄いいよね、と何気なく言うと、彼女はそれがどうして素敵に見えるのか説明してくれました。
それは私には気づかない事ばかり、というか考えた事もない事ばかりでした。
去年の暮れから、好きな物のスケッチを始めていますが、
それを描いているときにその事を思い出しました。
私がスケッチしようとしているのは、その好きな物のすきなところ、でした。
それをもう少し考えたら、それがどうして素敵に見えるか、になることに気づきました。
なるほどー、ちょっとボケ気味な写真を撮りながらそんなことを考えていました。