アケラレネーゼ

IGでしばしばタグをつけている「アケラレネーゼ」
友人が命名してくれたのですが、買ったもののパケージが素敵で
あけられなくてそのまま飾ってしまう癖のある私のことです。
うとさんの宿り木も、ほしさんのマカロンも、暮縞さんが送ってくれた
スコーンもまさに、アケラレネーゼ。
もうちょっと切なくなるほどアケラレネーゼなパッケージが立て続けにやってきて
落ち込んだほど。
この1年、というか、作ったものを販売させてもらうようになってから
わたしは、ずっと作ったものから手作りの雰囲気をなるべく消そうと努力してきました。
等しく、一定のクオリティーを保つことができる、安定したパッケージ。
好きなお店に並べておいてもらえるクオリティーを、と思って工夫を重ねてきたのだから
望んでそうしてきたのだけど。
結果、今年はついにデザイナーの友人の手を借りて、手作りの域を脱することができました。
ようやく印刷に出すことができて、布ものも、バッジも!
それは、名付けた訳ではないけれど、ame productと呼んでいて、
手作りラインとは別のものとして意識しています。
きっと一人で作っているのではない、という意識が強いのだと思います。
逆に、石鹸やソルトは一貫して、(ソルトを詰めたりするのは手伝ってもらうことがありますが)
自分一人で生産を行っています。
それこそ、内職の世界です。
この1年は、ありがたいことにまとまった数を作ることが必要でした。
dieciさんでの個展、NOTTAさんの1周年、CHECKさんでのamelaboshop。
そうすると、おのずとより安定してきれいに仕上がるパッケージングになっていきました。
そして私が見慣れてしまったせいもあるかもしれませんが、
私の作るものは進化している部分もありますが、停滞している部分も、
前の方がよかった部分もあることに気づきました。
それで数日、ちょっと無口になるくらい、いろいろと考えていました。
わたしも、アケラレネーゼ!と言ってもらうくらいのものを作ってお届けしたい。
あけないでいつまでも飾っていたいと思うくらい、
誰かに送りたいと思ってもらうくらいのもの。
そう思って作っていたはずですが、今年の私の視線は
より製品として成り立つものを、という気持ちが強かったはずです。
来年は、製品はより製品らしく、そしてその一方で自分と、ものと、気持ちと、
感覚と、もっと向き合った丁寧で細やかなものを作っていきたい、と思っています。
それはきっと、プロダクトへも反映されていくはず。
あ、そうか。
書いていて気づきました。
今年の私は、これまでのわたしがそうして培った物をすべて出し切ったのかもしれません。
出し切るばかりで、新たにそういう物作りをする余裕がなくなっているのだと思います。
そうしたもやもや。
オンラインショップが終わってから、友人達への季節のご挨拶やお世話になった方への
贈り物をしているのですが、そこから少しずつ試行錯誤を始めています。
手始めに作った季節のご挨拶のカードと小さなパッケージは、憧れの人の、
かわいいね!!という言葉を頂くことができました。
もうひと手間、もうひと重ね。
そう思いながら、秋のamelaboshopの時にどうしても
パッケージできなくておいたままだったある石鹸のパッケージをようやく始めました。
ココアを振りかけた、まるでケーキのような石鹸。
わたしの今回の石鹸のなかで一番きれいな石鹸で、パッケージも難しそうで、
どうしても送り出すことができないままになっていたのです。
イメージはあるのだけど、どうしたら形にできるのか分からないときは、
つかえそうな素材をとにかく並べてみます。
そうするとなんとなく自分のイメージがはっきりしてくるのが楽しい。
紙は白ではなくて、ちょっとくぐもったものがいいな、とか。
つるつるしたほうがいいな、とか。
ひもは黒ではなく白、とか、赤とか。
文字も、言葉も、余白も。
そうして久しぶりにいろいろ包んでみたら、ちょっとヒントが見えてきた気がしました。
来年の春にこうした積み重ねをご披露できますように。