4月26日のこと

ふるどうぐ市の続き。
2階の教室はいってすぐのところに本田さんのブースはあり、
背後に大きな美しい本棚があって、古く大きな窓からは
夕方の長い日が差して、本当に美しいブースでした。
何度かお写真を拝見している本田さんと、何度もお写真を拝見している奥様。
いつも素敵だなあと思っていたから、本当に心のアイドルに出会った気持ちになりました。
お疲れだったと思うのですが、お声をかけさせてもらったら、
IGでフォローして頂いていたのでわかって頂き、少しお話をしながら
テーブルの上のもの、床の上のものを見させてもらいました。
モノを選ぶのはエネルギーがいります。
どんなものでも。
そのなかでも、特に必要でないモノを選ぶときは一番エネルギーがいるように思います。
あらかじめあんなこんなが欲しい、と明確なイメージがある場合は
それこそハンターのような気分ですが、
ここのところはそんな気持ちでもなかったので、
ほかのブースはさささ、と流すようにしか見れませんでした。
知らない場所、知らない人、というなかで大切なお買い物をするのも苦手です。
特に古いものは、なんとなく、ではつれてこないようにしています。
理由は特にないのだけれど。
でも、きっと長い年月や人の手を経てあるものを自分のもとにつれてくるのには
大げさかもしれないけれど、一種覚悟のようなものが必要なのだと思う。
それは、よほど元気で、気持ちも落ち着いてないとできないこと。
でも、本田さんのところでは不思議と小さなものも流してみるだけでなく、
ゆっくりとその形や色や佇まいみたいなものが見えてきて、
気がつけば、とっても好きなものを見つける事ができました。
これはなんですか?どこのものですか?とゆっくりとお話ししながら。
小さなピルケースと、ちいさなちいさなピューターの馬を選びました。
そして、包んでもらっている間に床の方を見ていたら、もうひとつ
地味だけど、とってもとっても好みのものが。

左上に写っている一見なんてことない木箱。
でも、目の端でちょっと気になって、もう一回見たらまた気になって、
手に取ると、古びた感じも、開く感じも、とても好みで、
いちばん気に入ったのは、閉めたときの”ぱちん”という音。
これ!いいですね!!!
思わず言ってしまいました。
こんなに気に入ったら、用途なんて関係ないし、
あるだけで嬉しいものになる。
古いものが好きなのは昔から。
祖父母の家にあるがらくたをよくもらってきていました。
大学生になって海外に行く機会があったから、そのときはいつもマーケットを
みていました。
わからないなりに、好きなものをたくさんの中から選ぶのが好きだった。
日本の骨董祭にもよくいきました。
いわゆるアンティークには興味がなくて、
使えるもの、ちょっとくたびれた道具、飾るだけのものは好きではなく、使えるものが好き。
でもそのなものたちもずいぶん増えてしまって我が家は飽和を迎えそうになっているから
もうそう増やせない。
そんな中で増やすときは前より一層真剣なのです。
そして最近思うのは、知っている、心が通じるような人たちから
そんなものを受け取りたい。
ただモノが欲しい訳ではないから、それを手にしたときのことを思い出すようなものが
好きです。
だからもうお買い物は好きな人たちからしない、と思っている。
そんな気持ちでいると、いいタイミングいいものと出会えるだろうから、と
焦る事もない。
この日はそんな素敵な出会いがありました。
本田さん、つぎはゆっくりお店に伺いたいなあ。
とても好きな作家さんのお友達で、私のまだ会った事のないけれどもよく知っている
友達が誕生日にと本田さんでプレゼントを選んでくれて、出会うより先にいろんな点があって、
お互いに写真を通してなんとなく知っていて、ようやく会えた人たち。
これまでと出会い方が全く変わってきた最近だけど、
本当にいい出会いばかりしています。