改めて夏の思い出

まだ夏は終わっていませんが、夏休みは終わりなので夏休みの思い出を。
8月9日から阪神百貨店で時代もの道具市という催事があって、私はそのPR写真を担当させてもらいました。
古道具(あえて骨董とは言いません)は昔から大好き。
最初の頃は、ブリキの缶とか日本の古い看板とかそういうのから入ったような気がします。
両親と一緒に骨董市(本当の市じゃなくて、神戸でもそういう催事がちょくちょくあったのです)に
いくようになり、自分の好きなものを見つけるようになりました。
それをきっかけに、これまた両親と一緒に京都の骨董屋さんに連れて行ってもらったり、
一緒に選んだり、姉の留学先で週末ごとにたつ小さなマーケットでスージークーパーを物色したり。
北欧ブームの時は、生活環境が変わってがそれどころではない状況だったので
興味がなくなって抜け落ちているから、北欧の古いものはほとんど持っていません。
あとは今に至る感じです。
だからこのお話をもらった時はとっても嬉しかった!
好きなものを選んで、自分の部屋で使って写真を撮っていいよ!って!!!
染付と洋食とか、ケーキとかもあうから、そういうのもしたかったけど、
私らしい範囲でいくとお菓子とお茶って感じかなあと思い、
あえていつも通りで行きました。
百貨店のなかで選ぶんだものが部屋に来るとまた全然違ってほんとうにかわいい!
思った以上に可愛いものがたくさんあって、さくさく撮ってしまいました。
古いものが好きなのは、いいとこも悪いところも含めてそれしかない良さがあるから。
出会った時に、連れて帰るか見送るかの覚悟が現行品とはまた違います。
もう二度と会えないとして、これ以上のものに出会えそうかどうか。
すっごく好きだけど、諦めたり、
そこまで好きじゃないけど、もう二度と出会えないなら、と思ったり。
そんな自分の心の揺らぎぐらいも面白いです。
今回も撮影が終わって返したくないものばかりでした、、、、
実際、催事に足を運んでもう一度出会えたら買おうと思っていたものがあるんだけど
出会えなかったなあ。
阪神さんが初日に送ってくれた写真のなかには写っていたからどこかにお嫁に行ったんだろうな。
達者でね!!!
今回は催事としては関わりはそこまで深くありませんが、
写真を使ってもらった量としては一番多かったかもしれません。

エレベータの中、エスカレーターの横、地下の入り口、中の電光掲示版、外の電光掲示板、
ちらし、見てないけど電車の吊り広告などなど。
バレンタインのときも地下に自分の写真が載ったうめいちが置かれていることに感動し、
リビングのカタログの時もポスターになっていることに感動しましたが、
阪神の地下の通路から自分の撮った写真が4箇所くらいに見えた時は、ちょっと感無量でした。
自分が撮った写真がこんな風に子どもの頃から通い慣れたデパートの入り口やエレベーターを飾り、
風景になっていることにじんわり感動しました。
先週初めて見たときは実感がわかなかったのだけど、今週は2回友達と一緒に眺めて実感がじわじわと。
特にこの入り口(阪神電車梅田駅の百貨店口のあたり)からは4箇所くらいポスターや電光掲示板が見えて、そこを人がたくさん行き交い、わたしもいつもならその通行人の1人なのですが、今週はちょっと特別な気持ちで足を止めて通行の邪魔になっていました。
いつからか自分自分とあまり思わなくて済むようになり、(全く思わないわけではありませんが)風景に溶け込んだり、誰かのもののようになるものを作りたいと思うようになりました。
すごくかっこつけたことを言いますが、anonymousなものになって誰かのなにかになれることほど嬉しいことはないんじゃないかと思います。
よく考えたら、わたしの本来の仕事自体もそれに近いので、どちらもが近づいてるのかもしれません。
ここを通る人も、催事に足を運んでくれる人もほとんどみんなわたしのことは知らなくていつもの景色の中にわたしの写真があって、私のことを知ってくれている人は、たぶんちょっと嬉しい気持ちで見てくれているだろうと思うとその両方が嬉しい。
そして変に思われるかもしれませんが、自分の名前がクレジットされていないことが嬉しい。
宣伝を請け負っているのだからPRの文字はつけるように頼まれましたが、今日の写真はつけなくてもいいと思っています。
応援してくれたり、共感してくれる人たちがいて、こんなことをさせてもらえて、できたらそのお礼をみんなと一緒に楽しめることとして返していきたいなあと思っています。本当にありがとうございます。
これが個展だと、私は燃え尽きてまたしばらく上の空ですが、
百貨店の催事の場合、私はどちらかというと縁の下の力持ちなので、
催事がいいスタートを切って、それを見守るうちに手を離れた終わっていき、
私自身も次に向かっていきます。
このスタンスはとてもいいなあと思っています。
嬉しいことはもう少しあって、催事のスタートの日は、この催事の担当の人はもちろん、
リビングフロアの担当さん、バレンタインの時の担当さんがそれぞれレポートしてくれたこと。
他にも顔見知りの店員さんもこれまでよりちょっと興味をもってくれているかもしれない。
百貨店はたくさんの部署があるので、イベントごとに担当さんが違うのですが、
今の所幸せの数珠繋ぎのような感じで、それぞれの担当さんがそれぞれの違うイベントにも
興味をもっていてくれるのが嬉しいです。
それよりももっともとお嬉しいのは、催事に出向いてくれた方がたくさんいらしたということ!ですが。
阪神百貨店とお仕事をさせてもらう時は、いつもだいたい企画段階から参加させてもらっているので
ただ写真を撮っただけでないなにかがあります。
チームとして頑張った達成感もあるし、そういうのがお客様に通じてるかもなあと思うこともあります。
そんな環境で好きなことをさせてもらえて本当に幸せです。
晩夏は少しお休みをして、秋に一つ念願のことができるかもしれません。
そして年末に向けて。
個人的にはそのあたりが来年にむけてのクライマックスでもあるだろうなあ。
いろんなことが同時進行になりますが、
お気に入りのコートを羽織って、お気に入りのスーツケースで、
久しぶりの都会を闊歩できていますように!!