チビ

チビが大好きです。
生まれてこのかた、猫を好きだと思ったことはないのに、
はっきり言ってもう首っ丈です。
なでてあげていたはずが、いつのまにかなでさせて頂いてる立場になり、
おやつをあげていたはずが、おやつを差し上げてる立場になり、
遊んであげてるはずが、遊んで頂いている立場に、、、、
これが猫ってやつなのね!
と生まれて初めて実感しています。。。。
本当にいつ立場が逆転したんだろう、、、、、
チビがあきちゃったり、いやがったりしないように、様子をみつつ、
でも、チビが後を追ってきたくなる程度でひきあげるという
なんとも駆け引きしまくりの毎日で、
もっと昔にであっていたらわたしは随分と恋愛上手になっていただろうに、、、と
後悔するほどです。
チビのことをかわいがっている人は何人かいらっしゃるので、
まあ、そりゃ嫉妬もしますが、慣れてくるとそうでもないものです。
チビさまの愛は独り占めできない、と思えば思うほど
その時間が愛おしくなるものです。
何の話をしているのやら。
体調もよくなったし、仕事に行こうと駅に向かったら、
電話でこなくていいよ、とのこと。
じゃあ、チビいるかなあ、と4日ぶりのチビをさがしたら、いました。
(夕方からはだいたい会えるけど、昼間の生態はよく知らないのです)
ムロイさんちのおとなりさんの庭で寝ていました。
柵の間から手が届くところで寝ていたので、
とんとん、と叩くと、さすがにびっくりして飛び起きて
寝ぼけ眼でうにゃうにゃ言ってましたが、おいで、おいで、と
しばらく呼んでいたら、しゃーないなあ、という風情でお庭の柵から出て
会いにきてくれました。(相当幸せな瞬間です)
なでてなでて、にももちろんよろこんでお応えしました。
全力でなでました。
だってわざわざ出てきてくれたのだから!
で、ご機嫌も良さそうだし、わたし、このあと時間もあるし、
実家に父はいないし、そうだ、万が一チビが来てくれても大丈夫なんだ!と
気づいて、初めての試みをしました。
抱き上げて、どこまで連れて行けるか、です。
そもそもチビはあまり抱っこのすきな猫ではありません。
(わたしが抱っこが下手なのかもしれないけど)
だからまあ、家まで連れていけるとは思っていないけれど、
万が一でもいやがらずに連れて行けたら、庭でしばし遊んでもらって、
またここへ送り届けようと思ったのです。
残念ながら、チビを抱っこして運べたのは10歩くらい。
軽く腕に載せている程度だから、いつでも飛び降りれるし、
いやじゃなかったらそのまま腕の中にいれるけれど、
坂を少し上ったところでチビは一目散に帰ってしまいました。
そのあと、ゆっくり追いかけて話しかけても、つーん、と知らんぷりだったので
しょんぼりしてひとまず家に帰ったのですが。
きっとチビとのやり取りを見守って下さってる方はなんて煮え切らない!と
思われているだろうなあ、と思います。
わたしもそう思う。
でもいまのところわたしはチビがあり得ないところまでついてこない限り
連れて行こうとは思っていません。
チビには友達もいるし、毎日餌をくれるおじさんもいるし、
ムロイさんもいるし、ムロイさんの上の部屋の人もいるし、
他にも優しくしてくれる人はいるだろうし、
空き地はあるし、雨が降ったらムロイさんが助けてくれるし、
まあ、心配はないのです。
だから、今日は逆にどこまできてくれるかなと試してみたのです。
あなたと一緒ならどこでもいいわ、とは思ってないみたいなので、笑
やはり今の関係が一番いいみたい。
怒っちゃったかなあと心配して、夕方会いにいったら、
全然気にしてない様子で、いつも通りすりすりして、なでてなでて、でした、、、
かわいいねえ、チビ、とささやきながらふくよかなおなかをなでて
ぐふぐふと鼻を鳴らすのを聞いて、
時々足下をすりすりしてもらい、
一緒にぼんやり夕暮れを眺め、
少し一緒に歩いて、バイバイする。
それが今一番幸せなわたしとチビの関係です。