2年

2年前の今日、生まれて初めての入院と手術を経験しました。
IGでよく撮っているこの風景は、通院の景色です。
あの年の夏も暑かったなあ。
御見舞いにきてくれる人が、死にそうに暑い、と口々に言っていた事を思い出します。
身体はあまり丈夫ではありませんが、大きな病気をした事がなく、
のんべんだらりと生きていたのに、降ってわいたように生まれて初めて病気になってしまい、
まさか自分が病気になるなんて、と思いながらも、
なってしまったものは仕方ないなあと、毎日を懸命に過ごしていた事を思い出します。
そう、しゃーなし、でした。
(関西弁で、仕方なし、のこと)
考えたってしゃーないので、しないといけないことと、
いまできることと、今までに経験した事のない事をする少し先の自分のために
今のうちにしてあげられる事を必死で考えてしていたことを覚えています。
こういうときはあきらめがいい自分に感謝しながら、
しゃーなしに毎日をとにかく過ごしていたなあ。
手術というのは、人にも、病気にも、部位にもよるのでしょうが、
想像以上に大変だったし、想像以上にそうでもなかった。
でも、全身麻酔から覚めたときは、寒くて寒くて歯の音もあわず、
(前もって教えておいてくれたらよかったのに!そういうものらしいです)
その後しばらくは(2、3日かな)もう二度と元気になることはないんじゃないかと
思うくらい辛い時間を過ごし、その後はめきめきと元気にはなりましたが、
そこからは、長い道のりでした。
まだその道の途中なような気もしますし、いつまでたっても途中なんだろうな、と言う気がします。
身動きがほとんどとれないベッドの上で、
思い通りになるのは唯一自動のベッドのリモコンと、部屋の空調くらいのもので、
まったくなにもかもできない中で、ひたすらこれからのことを考えていました。
きっと人それぞれ、いろんな経験をしていろんな覚悟をして生きているのだと思いますが、
わたしはそれまで、あまり”覚悟”をした事がなかったのです。
自分の可能性は、永遠に先送りしていたかった。
でも、そういうわけにもいかないんだなあということを、
生まれて初めての入院をきっかけにやっと理解して、
これまで先送りにしていたあれやこれをどうにかしないとな、と
重い腰を上げたような気がします。
あれから2年。
いろんなことがありました。
ああ、時間が足りないなあ、と思う事も多々あります。
いろいろ、これじゃあ割にあわないなあ、とも思うことも多々あります。
(なんの割なのかよくわかりませんが)
いつかいつかと思ってきた事が多すぎて、こりゃ間に合わないんじゃないか、と
思い始めているし、なんでこんなことになってるんだろう、、、と思う事もあります。
何事も理由があって、結果があると思っていたのに、
理由も結果もないのが人生かもしれない、と気づき始めて少々焦ったりもします。
ああ、人生を一からやり直したい、と真剣に思ったりもします。
でも最近は、今回の人生はこれでいいか、と思い始めています。
ちょっと変な事を言い始めましたが、そんなことを考えています。
きっと同じようなメンバーで、何回も人生が繰り返されてるかもしれない。
家族だったり、友達だったり、恋人だったり、先輩だったり、後輩だったり、
通りすがりの人だったり、猫だったり、犬だったり、
すれ違うだけの人だったり、を同じようなメンバーで繰り返してるかもなあ、と
思ったら少し気が楽になりました。
今が今しかない、と強く思ながら過ごす癖がついてしまったせいで、
ずいぶん苦しいときがあるのですが、
今は今しかないけれど、次の人生もあるかも、と思ったら思い詰める気持ちが少し楽になりました。
死んでいる間は、もしかしたら蝉が地面にいるようなものかも。
死んでいる間には死んでいる間の人生があるのかもしれない。
そしたら、まあ今回できるだけ頑張ったら、その続きがあるような気がするので、
今回はうまくいかなくってもがんばればいっか、と思ったら
頑張れるような気がしてきたのです。
次の人生、ないかもしれないけれど、それはその時のこと、ということで、、、、
あまりにも変な事を言い始めたら、きっとわたしの心の師匠のあづーさが助けにきてくれると
思うので、このへんにしておこうと思います。
(ちなみにあづーさは、次の人生なんてとんでもないわ〜と言っていましたが)
というわけで、2年前のわたしに、今のわたしはとても感謝しています。
会うべき人に会い、行くべき場所に行き、するべき事をしてくれました。
今起きてる事はたぶんきっと正しい。
そう思いながら生きるのは、しんどいけれど、心地いいです。